オンラインレッスンのメリットとデメリットとは?



新型コロナウイルスの影響もあってか、オンラインギターレッスンの問合せが増えています。 ギターやベース、ウクレレの弾き方を教えて欲しいけど、近くに音楽教室が無い。忙しくて通う時間が無い。または、通うほどでは無いけど弾き方を教えて欲しいという方は多いと思います。昨今の状況も手伝って急速に増えているオンラインレッスンについて、早くからオンラインレッスン教室を行ってきた当教室の経験からそのメリットとデメリットをお伝えします。

まずは体験者の実際の声からオンラインレッスンの感想

本日は体験レッスンをありがとうございました。オンラインでどの程度習えるのか不安はありましたが、画面共有での譜面も見やすかったので、デメリットは少ないように感じ、家で気軽にできるメリットの方が大きいと思いました。

本当にそうなんです。

 

実店舗レッスンvsオンラインレッスンの比較も気になる方も多いと思いますが、雨の日も台風の日もお構い無しに自宅でレッスンを受けられるメリットはとても大きいのです。

 

レッスン中、簡単に録画も出来るので後で復習することも出来るし、生徒限定で模範演奏の動画をサービスで送付してるのも練習に役立つと喜んで頂いてます。あらかじめ弾きたい曲やフレーズなどの楽譜があればメール添付で送るか、画面共有すれば、個々に合わせてレッスン可能です。

 

インターネット環境の進化により、ビデオ通話のタイムラグはほとんど気にならないレベルになりました。Webカメラは、私は高画質の外付けカメラを使っていますが、Macの内臓カメラや外付けのWebカメラで充分なクオリティーのレッスンが可能です。 


オンラインレッスンに必要なもの

さて、ここからは具体的にオンラインレッスン について見ていきましょう。メリットデメリットを比較する前に、最低限オンラインレッスンで必要なものを記載します。これはレッスンを受ける教室によって多少異なると思いますが、当教室の場合は以下の環境を推奨しています。

  • 楽器
  • インターネット環境 / Zoomアカウント
  • ヘッドセット(もしあれば)
  • 弾きたい曲やフレーズの楽譜(無くても大丈夫)

 まだ楽器を持っていなくて何を買えば良いかわからない方は、事前にご相談頂ければオススメを教えます。エレキギターレッスンの場合はギターアンプもあると良いです。大きな音は必要無いのでミニアンプで充分です。

 

当教室のオンラインレッスンの場合、会議ソフトZoomを利用します。面倒な設定やID、パスワードは必要なく、レッスン数分前に講師から送られた招待メールをクリックするだけでレッスン開始します。録画機能があるのは後で見直すことが出来るので嬉しいです。

オンラインレッスンのメリットとデメリット

 メリット

  • 場所と距離の制約がない、天候に影響されない
  • リアルレッスンに比べ、時間の都合がつけやすい

なんと言っても距離の制約が無いのはオンラインの最大のメリットです。講師も生徒もお互いどこにいても関係ありません。海外でも時差の問題がなければレッスンできます。そして、自宅でリラックスして受講出来ることは気が楽です。例え、外が大雨でも大雪でも大丈夫。教室に行くまでの移動が無くなりますので時間と交通費の節約になります。

 デメリット

  •  若干の時差があるためアンサンブルができない

レイテンシー(音の遅れ)が若干あるため、生徒と講師が同時に演奏することができません。まずは講師が弾いて見せて、生徒が弾いて、アドバイスをするという流れになります。

 

もう一つは音質がいまいちです。録音した音源と違い、音抜けが悪く、細かいニュアンスが聴き取りにくいです。この辺りは実店舗レッスンの方が満足度が高いです。 

 

しかし、テクノロジーの発展に伴い今後改善されていくかもしれませんね。

オンラインレッスン生の声

男性ウクレレ
男性ウクレレ

メリット

時間の融通が付きやすい。先生と都合が付けば、朝早くや夜遅くでもできる。距離の問題がない。教室の場所や先生の居場所に関係なく自宅で習い事ができる。外出しなくて良い。天候や交通状況に左右されない。録画できる。後で録画を見直して復習できる。

 

 デメリット

音が途切れるなどZoomの動作が不安定な時がある。途中で来訪者や家族、ペットなどに邪魔されることがある。実際に手取り足取りは教えてもらえない。自宅なので大きな音を出しにくい。

女性ウクレレ
女性ウクレレ

 メリット

メリットは何と言っても、家にいながら一流の先生のレッスンが受けられることです。私の住んでる地域は、対面レッスンだと通うのに片道1時間以上必要なので、子育てが落ち着くまでは無理だと諦めていました。ですが、オンラインだと極端に言えば寝起きでレッスン受けて(笑)、終わったら家の用事などできるので「なんて素晴らしいんだ!!」というのが正直な感想です。レッスンの品質についても、対面レッスンには劣らないと思ってます。細かい指使いなどは画面に近づければ見れますし、対面と比べてレッスンの品質が劣るとかは100%ないです。

 

 デメリット

デメリットはすぐに思いつかなかったのですが、強いて言うなら、通信環境によってはタイムラグが発生して、例えば先生とのセッションなんかは不可能なんだろうな〜と思いました。会話が噛み合わない場面もあったりします。レッスンには支障ないレベルです。今後の5Gに期待します。接続状況によってはレッスン中に回線が切れてしまったりも…はあります。でも、すぐに入り直せば解決です。オンラインでしかお会いしたことのない先生なので、オフラインで会える機会があればいいですね!!

男性ギター
男性ギター

 メリット

・コロナ下でも安心してレッスンが受けれる

・教室までの往復時間が不要

・ギター等、重たい荷物を運ばないで良い

・Zoomは録音機能があるので、レッスンを録音して後で復習できる

 

 デメリット

・自宅なので大音量で演奏ができない

・ギターの調整等のアドバイスをもらう時、講師に自分のギターを実際に手に取って見てもらえないので時間がかかる

男性ピアノ
男性ピアノ

 メリット

家でレッスンできる為、送迎がない分親の負担が減り助かります。(天候で送迎できない時や、親の体調不良の時など、送迎できない時、オンラインレッスンは大変ありがたいです。)

 

 デメリット

画面越しなので緊張してしまい、スタジオレッスン時と比べると、先生と楽しくのびのびとできていない様に感じます。慣れるまでだと思いますが、コミュニケーションが少しとりずらい様に思います。

女性ウクレレ
女性ウクレレ

 メリット

・多忙なのですが教室に通う時間が不要 

・遠くの先生のレッスンが受講できる

 

 デメリット

・同時に弾けない←これが解決できればかなりプラスです

・お互いの生音が聴けない(オンラインなので当然ですが微妙なニュアンスとか)

 

ですが熱意ある先生に毎回楽しくレッスンしていただいていて大変満足しています

楽器は「HAVE TO」より「WANT TO」の方が伸びる

オンラインレッスンに限らずの話ではありますが、楽器の習得にはある程度の年月が必要です。そしてある程度の年月継続するには、"楽器を弾くのが好き"という感情が根底に必要です。

 

とある生徒さんから「昔、ピアノの先生が怖すぎて音楽が嫌いになった」という悲しいお話を耳にしました。

講師は、の能力を向上させることがミッションですが、「毎日練習しなさい!間違えてはいけません!」っていう上から正論ばかりの指導方法は今の時代あまり響かないと思います。

 

実際、1,000人以上の生徒を見てきて感じたことは、人間は「Have to」よりも「Want to」の方が間違い無く伸びます。

当教室に、ウクレレを習っている生徒がいます。ジェイク・シマブクロが好きでウクレレを買い練習曲も全てジェイク・シマブクロ。どの曲もなかなか難易度が高く何とか1曲弾けるまでに半年くらいかかってしまいます。しかしながら、ご本人がどうしても弾けるようになりたい!と願うほど好きな曲なので、たとえ難しくてもいつも笑顔で楽しんでいるのが伝わってくるのです。そんな姿を見ていると、先生から一方通行でやらされる練習よりも、自ら「やりたい!」と感じながら練習する方が楽しく継続できるし、結果的に早く上達するのを実感します。


まとめ

当教室は、オンラインレッスン を開講して4年ほど経過します。

結論として、オンラインレッスンは実店舗レッスンと大して変わらないということが分かりました。

 

音楽教室を運営している立場からすると、実店舗では通える範囲の人しか実質的に利用できませんでしたが、オンラインレッスンによって受講生の対象範囲は全国に広がりました。実際には海外から習いたいというお問い合わせも数多くきます。

 

もっと言うと、オンラインサービスなので店舗が要りません。講師も自宅でレッスンができます。家賃と交通費が無くなり運営コストが下がった分、レッスン料を下げることができます。双方がハッピーになるわけです。

 

ただし、教室選びで一番重要なのはやはり「人」だと思います。

素敵な先生には素敵な生徒が集まるもので、いくら料金が安くて立地が良くて最新設備が整っていても講師やスタッフが魅力的じゃないと私だったら選びませんし、長く続きません。

 

そしてオンラインレッスンによって日本中(世界中)のどこに住んでいても自宅でレッスンが受けられるのは本当に素晴らしいことだと思います。百聞は一見しかずなので、まずは無料体験レッスンなどオンラインレッスンを受けて見ることをお勧めします。


記事の執筆者

氏名:柘植 紀人(つげ のりひと)

ギター歴:25年、講師歴:14年

株式会社OTOISM代表取締役。名古屋市内でスナフキンズ音楽教室3店舗運営。Snafkins(スナフキンズ)というアコーディオン・ジャズバンドのギター担当。その他、トラックメイカーとして、Mr.Tsuge名義でスウェーデンのレーベル"Pyramid Tracks"、Seeweed名義でドイツのレーベル"Vinyl Digital"と契約中。ミュージシャンが音楽で自立するための方法を日夜実践中。